BNCTは他の治療法が奏功しない悪性腫瘍も攻略可能な強力な放射線治療である。中性子ビーム使用して腫瘍細胞内部で核分裂を惹起して腫瘍細胞を選択的に殺傷し、治癒させる。
中性子ビームには通常の放射線治療で使用されるガンマ線、X線とは異なった性質がいくつかある。一つには拡散の仕方が光であるガンマ線などとは異なることだ。並としての性質が強いガンマ線とは異なり、中性子線はパチンコ玉のような球状の重粒子の束なのでジャングルジムに蹴りこんだサッカーボールのようにあちこちに跳ね返る。
またもう一つの特徴は、最終的に周囲の物質の原子核に吸収され、物質転換を起こすという事だ。ガンマ線ではこういう反応は通常のエネルギー領域では起こらない。
本稿で取り上げるのは、中性子ビームの吸収に伴う物質転換だ。人体を構成する物質、炭素・窒素・酸素・塩素・水素・鉄・カルシウム、etc.に関してはこれらは調べられて評価もされている。しかし歯科領域では人体を構成する物質以外に補綴物やデンタルインプラント等があり、これらの評価は未だ行われていない。特に核変換が発生したときに変換後の各種が放射性だった場合には新規に放射能が発生することになり、これを「放射化」というが、発生する放射能の量によっては害が無視できない可能性もあり、定量的評価が必要である。
そこで本研究では、口腔内に長期で留置されるであろう歯科用補綴物の中性子ビームによる放射化の基礎分析を行い、BNCT施術前にこれらの装置を除去するべきかどうかのプロトコルを提案する。
患者の口腔内に留置されている補綴物は次のようなものがある。
1.可撤性
義歯 アクリル系、ポリカーボネート系、ナイロン系、水晶・アルミナフィラー
金合金・金銀パラジウム合金・コバルトクロム合金・ニッケルクロム合金・ステンレス
チタン
2.固定性
クラウンブリッジ
金合金・銀合金・金銀パラジウム合金・ニッケルクロム合金
コバルトクロム合金
長石系陶材・リチウム系陶材・ジルコニア
アクリル・水晶・アルミナ系強化プラスチック
インプラント
純チタン・チタン合金・ジルコニア・コバルトクロム
3.半固定性
インプラント上部構造
このように非常に多岐に渡る。今回はこの中から固定性のコバルトクロム材料と長石系陶材によるPFM冠、金合金による単冠、および可撤性のコバルトクロム製総義歯、もっとも頻度の高いチタン合金製インプイラント材料に絞って分析を試みる。
ーつづく
2013年12月10日火曜日
2013年1月13日日曜日
IDS 2013 (国際デンタルショー) ケルンメッセ
http://www.koelnmesse.jp/ids/
ケルン国際デンタルショーはドイツのケルンで2年おきに開催される世界最大のデンタルショーだ。今年は3月12日(火)~3月16日(土)まで。
世界の歯科機器・歯科材料メーカーの最新製品のお披露目の場所としても知られている。特に昨今はデジタルデンティストリーと言えば良いのか、コンピュータで支援された歯科治療法が急速に発展しつつあり、関連製品が数多く出展されるだろう。
それにしても寂しいのはこういった超先進歯科技術はもう日本からは殆ど出ないという事だ。すべてヨーロッパ勢が中心で米国勢も。日本からはほんの少し。中国や韓国からは全くだ。
日本の歯科界は反省しなくてはなるまい。高度成長期、世界の水準に一瞬だけ並んだ日本の歯科医療技術はなぜこんなに遅れてしまったのだろうか?
オリンピックやノーベル賞ではないけれども、歯科医療先端技術なども「文化」の発展度を表しているようにも思える。日本人は「国際的には一流」を自負している人も多いのかもしれないけれども、歯科医療に関しては健康保険の運用法の問題もあり、残念ながら二流だ。日本人の口の中は汚く、先進諸国中最低だというのは日本通の外国人は良く知っているし、海外の歯科医師にしばしば指摘を受けて恥ずかしい思いをする。
歯科医師の先生方は各自奮起されたし。今のところ歯科医師会も厚生労働省も当てにはならない。制度上手足を縛られてはいるけれども、それでも工夫すれば多少はなんとかなるだろう。
良い歯科医療を供給すれば国民の健康レベルはアップするのだ。
さて私もIDSに参加して世界の先端レベルを見て少し刺激を受けてこようかな。幸い日本人は「追いつき、追い越せ」は得意だったようにも思えるし。
(文:窪田 敏之)
ケルン国際デンタルショーはドイツのケルンで2年おきに開催される世界最大のデンタルショーだ。今年は3月12日(火)~3月16日(土)まで。
世界の歯科機器・歯科材料メーカーの最新製品のお披露目の場所としても知られている。特に昨今はデジタルデンティストリーと言えば良いのか、コンピュータで支援された歯科治療法が急速に発展しつつあり、関連製品が数多く出展されるだろう。
それにしても寂しいのはこういった超先進歯科技術はもう日本からは殆ど出ないという事だ。すべてヨーロッパ勢が中心で米国勢も。日本からはほんの少し。中国や韓国からは全くだ。
日本の歯科界は反省しなくてはなるまい。高度成長期、世界の水準に一瞬だけ並んだ日本の歯科医療技術はなぜこんなに遅れてしまったのだろうか?
オリンピックやノーベル賞ではないけれども、歯科医療先端技術なども「文化」の発展度を表しているようにも思える。日本人は「国際的には一流」を自負している人も多いのかもしれないけれども、歯科医療に関しては健康保険の運用法の問題もあり、残念ながら二流だ。日本人の口の中は汚く、先進諸国中最低だというのは日本通の外国人は良く知っているし、海外の歯科医師にしばしば指摘を受けて恥ずかしい思いをする。
歯科医師の先生方は各自奮起されたし。今のところ歯科医師会も厚生労働省も当てにはならない。制度上手足を縛られてはいるけれども、それでも工夫すれば多少はなんとかなるだろう。
良い歯科医療を供給すれば国民の健康レベルはアップするのだ。
さて私もIDSに参加して世界の先端レベルを見て少し刺激を受けてこようかな。幸い日本人は「追いつき、追い越せ」は得意だったようにも思えるし。
(文:窪田 敏之)
2011年11月30日水曜日
本日よりインプラント器材の滅菌方法を改良
今までは水洗後、通常のオートクレーブ滅菌のみを行っていた。ところが、このスケジュールでは非常に稀な疾患CJD(クロイツフェルド・ヤコブ病、通称ヤコブ病)あるいはバリアント型狂牛病の原因病原体であると言われているプリオンを完全に消滅させることはできない。(オートクレーブのみでも弱毒化するとは言われているが)
そこで、かねてから滅菌スケジュールの改善を図っていた。実際、CJDは非常に移りにくい疾患で歯科の手術から移る可能性は殆ど無いと考えられる。(脳外科以外では一般外科でもここまではやっていないようだ)けれども、より高度なレベルを目指すにはプリオンも制圧したい。
文献を参照すると、プリオンを不活性化するには熱した高濃度界面活性剤、高濃度次亜塩素酸、高濃度水酸化ナトリウムなどが都合が良いようだ。このうち高温高濃度界面活性剤はプリオン蛋白の構造変化だけなので、原理上再活性化(生き返る)懸念が払拭できない上に取り扱いが困難だ。また次亜塩素酸は日頃歯科臨床で大量に使用している殺菌剤なので簡単だけれども、先日トライしたところ、高価なインプラント用ドリルが錆びてしまい、悲しい気持ちになった。
そこで1N(1規定)水酸化ナトリウム溶液に使い古しのドリルでトライしたところ、どうやら医療用ステンレスは侵されないようだ。そこで本日AQBの手術用品一式に水酸化ナトリウム処理を試みた。今のところ錆びの発生も無く順調だ。
1N水酸化ナトリウムの作り方は次の通り。精製水900ml程度をビーカーに用意。水酸化ナトリウム40g(1モル)を計量する。水酸化ナトリウムは吸湿するので直ちにビーカーの中の水にこれを静かに加え、攪拌し、溶解する。最後に精製水を約100ml加えて全体を1リットルにして完成。これを逆に水酸化ナトリウムに水を加えると激しい溶解熱で撥ねたりして危険なので注意。1リットルの水に水酸化ナトリウム41g程度を加えても概ね1Nになるので実用上はこれでも問題ない。
水酸化ナトリウムは500gの試薬級が薬局などで買える。値段は500円以下。これで12リットル程度作れる。
出来上がった溶液のうち500ml程度をタッパーに入れる。これに器具類をプラスチックの籠にいれて室温で一時間浸漬する。その後、水洗してオートクレーブにかける。この溶液は頻度にもよるが二週間から一ヶ月程度は持つと思われる。投入した有機物に含まれる塩や酸などによって効力が低下する。また空気中の二酸化炭素を吸収してやはり効力が低下する。
文献は調べていないけれどもほとんど全ての有機物を加水分解してしまう1N水酸化ナトリウムの滅菌能力は強烈でこの環境で生き延びる事のできる微生物はおそらく存在しないだろう。
浸漬後の水洗はかなり念入りにしないと、器具の可動部に水酸化ナトリウムが濃縮して固着したりするので注意。また目に撥ねると失明の危険がある。万一入ってしまった場合には大量の水で洗浄してホウ酸などの弱酸で中和し、ただちに眼科医を受診する。本当は水ではなく炭酸水などで洗浄すると、水酸化ナトリウムが中和され、より綺麗になると思われるが、こちらはまだ試していない。
(文:窪田敏之)
そこで、かねてから滅菌スケジュールの改善を図っていた。実際、CJDは非常に移りにくい疾患で歯科の手術から移る可能性は殆ど無いと考えられる。(脳外科以外では一般外科でもここまではやっていないようだ)けれども、より高度なレベルを目指すにはプリオンも制圧したい。
文献を参照すると、プリオンを不活性化するには熱した高濃度界面活性剤、高濃度次亜塩素酸、高濃度水酸化ナトリウムなどが都合が良いようだ。このうち高温高濃度界面活性剤はプリオン蛋白の構造変化だけなので、原理上再活性化(生き返る)懸念が払拭できない上に取り扱いが困難だ。また次亜塩素酸は日頃歯科臨床で大量に使用している殺菌剤なので簡単だけれども、先日トライしたところ、高価なインプラント用ドリルが錆びてしまい、悲しい気持ちになった。
そこで1N(1規定)水酸化ナトリウム溶液に使い古しのドリルでトライしたところ、どうやら医療用ステンレスは侵されないようだ。そこで本日AQBの手術用品一式に水酸化ナトリウム処理を試みた。今のところ錆びの発生も無く順調だ。
1N水酸化ナトリウムの作り方は次の通り。精製水900ml程度をビーカーに用意。水酸化ナトリウム40g(1モル)を計量する。水酸化ナトリウムは吸湿するので直ちにビーカーの中の水にこれを静かに加え、攪拌し、溶解する。最後に精製水を約100ml加えて全体を1リットルにして完成。これを逆に水酸化ナトリウムに水を加えると激しい溶解熱で撥ねたりして危険なので注意。1リットルの水に水酸化ナトリウム41g程度を加えても概ね1Nになるので実用上はこれでも問題ない。
水酸化ナトリウムは500gの試薬級が薬局などで買える。値段は500円以下。これで12リットル程度作れる。
出来上がった溶液のうち500ml程度をタッパーに入れる。これに器具類をプラスチックの籠にいれて室温で一時間浸漬する。その後、水洗してオートクレーブにかける。この溶液は頻度にもよるが二週間から一ヶ月程度は持つと思われる。投入した有機物に含まれる塩や酸などによって効力が低下する。また空気中の二酸化炭素を吸収してやはり効力が低下する。
文献は調べていないけれどもほとんど全ての有機物を加水分解してしまう1N水酸化ナトリウムの滅菌能力は強烈でこの環境で生き延びる事のできる微生物はおそらく存在しないだろう。
浸漬後の水洗はかなり念入りにしないと、器具の可動部に水酸化ナトリウムが濃縮して固着したりするので注意。また目に撥ねると失明の危険がある。万一入ってしまった場合には大量の水で洗浄してホウ酸などの弱酸で中和し、ただちに眼科医を受診する。本当は水ではなく炭酸水などで洗浄すると、水酸化ナトリウムが中和され、より綺麗になると思われるが、こちらはまだ試していない。
(文:窪田敏之)
2011年11月24日木曜日
歯科医師・衛生士募集
当院では現在歯科医師を募集しています。条件は週に2回以上出社できる人です。フルタイムでもOKです。
また歯科衛生士を募集しています。こちらの条件は週に2回以上出社できる人。正社員枠もあります。年齢制限はありません。
当院に関して簡単に説明します。
横浜市南区井土ヶ谷(最寄り駅京浜急行井土ヶ谷駅より徒歩2分)
1.設立 昭和62年5月
2.組織 医療法人社団
3.設備 ユニット 6台、デジタルレントゲン、デジタルパントモ
4.治療内容
一般歯科、インプラント(ITI、AQB、その他)、ジルコニア、ホワイトニング、MTM、PMTC
インプラントはソケットリフト、チタンメッシュ法、オステオトームによる歯槽骨拡張術等も行います。
当院で数年勤務した後開業した先生は多数いらっしゃいますが、長期の勤務も可能です。開業の時には色々アドバイスさせていただきます。ご興味のある方は 045-712-7892 あるいは toshi@kubotashika.com までお願いいたします。
(文:窪田敏之)
また歯科衛生士を募集しています。こちらの条件は週に2回以上出社できる人。正社員枠もあります。年齢制限はありません。
当院に関して簡単に説明します。
横浜市南区井土ヶ谷(最寄り駅京浜急行井土ヶ谷駅より徒歩2分)
1.設立 昭和62年5月
2.組織 医療法人社団
3.設備 ユニット 6台、デジタルレントゲン、デジタルパントモ
4.治療内容
一般歯科、インプラント(ITI、AQB、その他)、ジルコニア、ホワイトニング、MTM、PMTC
インプラントはソケットリフト、チタンメッシュ法、オステオトームによる歯槽骨拡張術等も行います。
当院で数年勤務した後開業した先生は多数いらっしゃいますが、長期の勤務も可能です。開業の時には色々アドバイスさせていただきます。ご興味のある方は 045-712-7892 あるいは toshi@kubotashika.com までお願いいたします。
(文:窪田敏之)
2011年11月23日水曜日
スタッフブログを始めました
最近の若い女子達はコンピュータを紙のように使いこなす。22歳の若い新入社員が「スタッフブログをやりたいです」というので、もちろんOKした。
ここが窪田歯科スタッフブログだ。
http://ameblo.jp/kubota-shika-staff
手順としてはアメブロの下書機能を活用して、一度担当している職員に下書きをしてもらう。この内容を理事がチェックしてOKであれば公開する、といった感じで運用している。
彼女達より「近所のお店に食べに行ったときに取材してブログに載せるので取材費を出して欲しい」という要望があるので、月に二回程度ならOKと言っておいた。さてどんなブログになるだろうか?
(文:窪田敏之)
ここが窪田歯科スタッフブログだ。
http://ameblo.jp/kubota-shika-staff
手順としてはアメブロの下書機能を活用して、一度担当している職員に下書きをしてもらう。この内容を理事がチェックしてOKであれば公開する、といった感じで運用している。
彼女達より「近所のお店に食べに行ったときに取材してブログに載せるので取材費を出して欲しい」という要望があるので、月に二回程度ならOKと言っておいた。さてどんなブログになるだろうか?
(文:窪田敏之)
2011年7月26日火曜日
臼歯の歯冠修復の決定版 フルジルコニア(FZ冠)
最近フルジルコニア冠(FZ)が徐々に受け入れられてきたようだ。これは今までのジルコニアがメタルボンド冠のフレーム部分を金属からジルコニアに変更したのとは異なって、冠全体をジルコニアで製作する構造だ。
セラミック中史上最高の機械強度を誇るジルコニアセラミックなので、当然ながら口腔内でも頑丈極まりなく優れた臨床結果を出すであろうことは、ある程度予測がつく。
FZの利点は
1.頑強
2.生体毒性が無い
3.メタルフリー
4.技工料金が安い
5.高強度材料なので歯牙の削除量が少なく低侵襲
6.熱伝導率が低く知覚過敏を予防する
7.超高強度のため遊離端、犬歯誘導、ブラキサー等の難症例でも適応
8.同じくロングスパンブリッジも可能
とどちらかというと良い事尽くめだ。しかしFZといえども万能ではなく、利点=欠点にもなりうる。
フルジルコニアで懸念されるのは次のような点だ。
1.硬すぎて調整が大変 →カーボランダムポイントのほうが削れてしまう!
2.色調が白すぎて調和しない
3.対合歯を磨耗させるのでは?
解決法は次の通り。
1.デンタルソリューション社のZIMO Smartなど、被削性を向上させた製品を使用する。現在市場を見渡しても高被削性ジルコニアセラミックは今のところ世界でもデンタルソリューションのみが供給しているようだ。またデンタルソリューション社の技工士はハリウッドのような非常に競争の激しい地域からも受注しており、技工士の練度が非常に高い。このため技工物の精度も非常に高く調整は多くない。また無調整のセットが可能なことさえ多い。
2.これまで金属で修復していた臼歯部の修復を中心に取り組む。確かにFZはパール光沢で白すぎるなど、審美性は多少ポーセレンよりも劣る。しかしセラミックの白色は金属の灰銀色よりは全然マシだ。またジルコニア自体の内部ステインや外部ステインといった技術で前歯部でも患者さん目線では満足できる程度のものが製作できる。実際に当院でも2番3番には使用しはじめている。
3.デンタルソリューション社製FZ冠はジルコニア粉末の粒度をナノサイズまで細かくした専用グレードのジルコニアブロックを使用しており、対合歯磨耗性は高くない。また補綴学会でも表面を滑沢に仕上げたジルコニアの対合歯磨耗性は通常のポーセレンと変わらないという発表がある。
接着合着には補綴臨床誌の記事に発表されたジルコニアに対する接着データを参考にしてクラレ社製「クリヤフィルSA」を使用している。
当院では昨年より取り組んでいるが患者さんの満足度は非常に高いようで、FZ冠で治した人たちはみなニコニコしている。
右上顎3・5番支台歯、4番ポンティックがフルジルコニアによる審美ブリッジ 40代女性
(文:窪田敏之)
セラミック中史上最高の機械強度を誇るジルコニアセラミックなので、当然ながら口腔内でも頑丈極まりなく優れた臨床結果を出すであろうことは、ある程度予測がつく。
FZの利点は
1.頑強
2.生体毒性が無い
3.メタルフリー
4.技工料金が安い
5.高強度材料なので歯牙の削除量が少なく低侵襲
6.熱伝導率が低く知覚過敏を予防する
7.超高強度のため遊離端、犬歯誘導、ブラキサー等の難症例でも適応
8.同じくロングスパンブリッジも可能
とどちらかというと良い事尽くめだ。しかしFZといえども万能ではなく、利点=欠点にもなりうる。
フルジルコニアで懸念されるのは次のような点だ。
1.硬すぎて調整が大変 →カーボランダムポイントのほうが削れてしまう!
2.色調が白すぎて調和しない
3.対合歯を磨耗させるのでは?
解決法は次の通り。
1.デンタルソリューション社のZIMO Smartなど、被削性を向上させた製品を使用する。現在市場を見渡しても高被削性ジルコニアセラミックは今のところ世界でもデンタルソリューションのみが供給しているようだ。またデンタルソリューション社の技工士はハリウッドのような非常に競争の激しい地域からも受注しており、技工士の練度が非常に高い。このため技工物の精度も非常に高く調整は多くない。また無調整のセットが可能なことさえ多い。
2.これまで金属で修復していた臼歯部の修復を中心に取り組む。確かにFZはパール光沢で白すぎるなど、審美性は多少ポーセレンよりも劣る。しかしセラミックの白色は金属の灰銀色よりは全然マシだ。またジルコニア自体の内部ステインや外部ステインといった技術で前歯部でも患者さん目線では満足できる程度のものが製作できる。実際に当院でも2番3番には使用しはじめている。
3.デンタルソリューション社製FZ冠はジルコニア粉末の粒度をナノサイズまで細かくした専用グレードのジルコニアブロックを使用しており、対合歯磨耗性は高くない。また補綴学会でも表面を滑沢に仕上げたジルコニアの対合歯磨耗性は通常のポーセレンと変わらないという発表がある。
接着合着には補綴臨床誌の記事に発表されたジルコニアに対する接着データを参考にしてクラレ社製「クリヤフィルSA」を使用している。
当院では昨年より取り組んでいるが患者さんの満足度は非常に高いようで、FZ冠で治した人たちはみなニコニコしている。
右上顎3・5番支台歯、4番ポンティックがフルジルコニアによる審美ブリッジ 40代女性
(文:窪田敏之)
2011年7月15日金曜日
チタンメッシュ法による歯槽骨造成法(その1)
インプラントで患者さんの骨の量が不足する場合、メンブランを使用して骨の増殖方向と粘膜の増殖方向を制御することによって骨を造成するやり方(GBR法)はわりと一般的だ。
しかし、実際には非常に複雑な術式と数ヶ月の待ち時間、多大な費用をかけても復活する骨の量は精々2-4mmと、まぁやらないよりは良いけれども、全面的に頼れるかというとそうでもないような微妙な術式だ。
しかもメンブランは多くの場合バイオイナートで生体とは殆ど干渉しない。このため固定に難があり、スリップして膜が口腔内に露出する、など面倒なトラブルの種になりやすい。
メンブランによるGBR法の要点は治癒も増殖も速い上皮細胞(粘膜)の傷口への侵入を阻止し、成長の遅い骨組織が伸びてくるのを待つ、という意味合いでの「ティッシュ・コントロール」だ。ここで、最近チタンメッシュを活用した術式が台頭している。チタンメッシュをあたかもメンブランのようにして使うのだ。
チタンメッシュがメンブランと比較して大きく優れているのは三点。
1.耐圧性があるので、骨形成に必要な空洞を長期間保つことができる
2.生体親和性が良い
3.賦形性に優れ、加工が容易で手術も比較的簡単
先日のセミナーで見せてもらった症例では、これまでの常識では絶対に治せないと思われるケースでも続々インプラントを成功させ、ここまで劇的に回復するものかと驚かされたものだ。
この治療法、非常に先進的で日本ではもちろん、世界でもこなしているインプラント医はまだとても少ないと思われる。しかし今目の前で困っている患者さんを、チタンメッシュ法を使用すれば救えるかもしれない。
私もまだ実習をしただけなので、初めは身内からやってみようと思う。しかし実際術式はそれほど複雑でもなく簡単だと思う。それにつけてもこういう新術式を初めて思いつく医者は立派だと思う。以前よりも術式が簡単になり、その上治療効果がでるのだから素晴らしい。
(つづく 文:窪田敏之)
しかし、実際には非常に複雑な術式と数ヶ月の待ち時間、多大な費用をかけても復活する骨の量は精々2-4mmと、まぁやらないよりは良いけれども、全面的に頼れるかというとそうでもないような微妙な術式だ。
しかもメンブランは多くの場合バイオイナートで生体とは殆ど干渉しない。このため固定に難があり、スリップして膜が口腔内に露出する、など面倒なトラブルの種になりやすい。
メンブランによるGBR法の要点は治癒も増殖も速い上皮細胞(粘膜)の傷口への侵入を阻止し、成長の遅い骨組織が伸びてくるのを待つ、という意味合いでの「ティッシュ・コントロール」だ。ここで、最近チタンメッシュを活用した術式が台頭している。チタンメッシュをあたかもメンブランのようにして使うのだ。
チタンメッシュがメンブランと比較して大きく優れているのは三点。
1.耐圧性があるので、骨形成に必要な空洞を長期間保つことができる
2.生体親和性が良い
3.賦形性に優れ、加工が容易で手術も比較的簡単
先日のセミナーで見せてもらった症例では、これまでの常識では絶対に治せないと思われるケースでも続々インプラントを成功させ、ここまで劇的に回復するものかと驚かされたものだ。
この治療法、非常に先進的で日本ではもちろん、世界でもこなしているインプラント医はまだとても少ないと思われる。しかし今目の前で困っている患者さんを、チタンメッシュ法を使用すれば救えるかもしれない。
私もまだ実習をしただけなので、初めは身内からやってみようと思う。しかし実際術式はそれほど複雑でもなく簡単だと思う。それにつけてもこういう新術式を初めて思いつく医者は立派だと思う。以前よりも術式が簡単になり、その上治療効果がでるのだから素晴らしい。
(つづく 文:窪田敏之)
登録:
コメント (Atom)

