2009年10月16日金曜日

磁石で義歯を補強(マグフィット その1)

磁石を使って取れやすい義歯を取れにくくしようというアイデアは昔からあったが、最近の製品と術式は改良されており、使い易くなっている。

もともと支台歯がある場合にも一定の効果はあり、活用もされていた。しかし、偶々歯冠部が失われた歯に対して磁力吸着点を設定していたので、あまりケースは多くはなかったのだと思う。歯冠部が残っている場合には、在来技術であるクラスプで充分な性能を出せる。

しかし、昨今インプラントのケースが増えてきた。インプラントの場合にはアバットメント装着の前にはどっちみち歯根部しか存在しないのであるから、一気に適用範囲が増える。

実際、顎堤の高さが充分でなく、上の義歯が外れやすくて不便、とか、舌感が悪く話しにくいとか老け込んだ気分になるといった症例では絶大なる威力を発揮する。

義歯は押す力には非常に強いが引っ張る力には弱い。このマグネットアタッチメントは引っ張り力を補強するものだ。

まだマグネットアタッチメントがそれほど普及していなかった時代にマグフィットという磁性アタッチメントを開発し、それから今日のインプラント時代まで、淡々と製品改良を続けてこられたメーカーの愛知製鋼株式会社様には敬意を表したいと思う。

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