2009年11月18日水曜日

上海デンタルショー (その2)

上海デンタルショーは凄い熱気だったわけだが、こういう熱気をもった雰囲気を作り出す事に成功しているのだから、中国の経済系の指導部の力はたいしたものだ。

日本はこういった状況から学ばなくてはなるまい。歯科技工所も多数設立されている。人数が巨大で30人ー50人などというのはアタリマエ(日本では最大級のサイズだろう)

大きいところだと2000人!規模の技工所が数軒あり、事務所の写真を見ると、まるで大規模の工場か大学のような大きさ。普通の歯科技工専門学校が4-5軒スッポリ吸収されてしまうサイズだ。

これで世界に技工物を提供している。技術レベルも日本の平均と比較して決して低くはない。むしろ規模のメリットを生かし、エリートクラスを養成し、特別チームは世界のトップクラスの技術を持っている。見えない義歯バルプラストや、矯正用のテンプレートは言うに及ばず、日本でもまだ始まったばかりのジルコニアを殆どの技工所で作成しているのには驚いた。これでは日本の技工所は全く太刀打ちができない。それこそ巡航ミサイルに竹槍で立ち向かうようなものだ。

ここまで日本の歯科を荒廃させ、国民の口腔衛生を先進国最低のレベルにしてしまい、国際競争力も奪ってしまった政治と厚生官僚、それに日本歯科医師会の歴代執行部の罪は重い。

それに今回驚き、嬉しかったと供に心が重くなる出来事があったのだ。それは中国の「品質」である。中国は日本とは異なる遣り方で品質を追求しており、最近の中国製品の品質は急速に向上している。たぶん、近日中に日本に追いつくだろう。私は中国に古い友人もおり、中国の発展を見てきたので、ついにここまで来たのか、という嬉しさがある反面、「中国品質」等と嘯いて油断をしている我が国のていたらくを見ると心配でならない。日中間の良好な関係は協力しあいながら、また良きライバルとして競争もする、ということで一方が強すぎるのは良くないのだ。

幸い、今ならまだ為替の違いがあるので盛り返す事はできると思う。頑張らなくてはならない。

(文:窪田 敏之)

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