2010年1月5日火曜日

当院で使用しているインプラント、ITIとAQB、その他のインプラント

ちなみに当院では現在ITIとAQBを使用している。しかしながら、頻度はITIのほうが多い。というのもITIは歴史が古くパーツが充実しており、適用範囲が非常に広いからだ。一方AQBは限られた症例ながら、ワンピース一回法(即時加重)という手軽さが良いところだ。

実際、上顎にはなかなかAQBのワンピースを使う気持ちになれないが、下顎・遊離端ではない・骨密度が大きい場合には結構有効だろうと思う。

ところで、アンキロスという製品があるが、これはこれまでのブローネンマルクから始まった解剖学的形態のアナログ型のインプラントとは異なって、非解剖学的形状のインプラントだ。一般に出回っているエビデンスを当院独自の基準で評価してみようと思っているが、これまでのところ、なかなか筋の良さそうな製品という感じを受けており、進めてみようかなと思っている。

その他、インプラントは高いものを一本打つよりも廉価なものを二本打ったほうが、力学的にも危険分散の面でも有利と考えられるので、当然ながらインプラントシステムの価格も性能のうち、という事になる。最近は中国や韓国のメーカーが力をつけてきているので楽しみだが、本年の前半はアンキロスを調べてみようと思っている。

ところで、ジルコニアは通常補綴に使用されているが、これをインプラント体に使用することもできる。というのもジルコニアはチタンほどではないけれども、かなりの骨親和性があり、オッセオインテグレーションも可能なようだ。 実際、インプラントにも人工の歯周ができる訳で、その際には歯周病原因菌群のインプラント体への付着性が問題になる。すると鏡面チタンよりも鏡面ジルコニアのほうが歯周炎への耐性が良い可能性も無いとは言えない。その上最大の利点はやはり美しいという事だ。歯根の色調は金属光沢ではなく、自然の歯牙に近い白い色になる。スペインには既にセラルートという会社があり、同名のインプラント体を販売している。

エビデンスはまだ見つけていないのだが、天然歯よりもチタンのオッセオインテグレート型インプラント体のほうが歯周炎になりにくいような気がするのだが、どなたか文献をご存知ではないだろうか?



(文:窪田 敏之)

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